読書記録☆建設業働き方改革と労務知識Q&A
こんにちは。
社労士開業を目指す、現在は専業主婦のおかんです。
専業主婦ではありますが、細々ととある会社の経理や給与計算等お手伝いさせてもらっています。
その会社が建設業でして、労働保険の年度更新手続きをする中で、建設業の特殊性を改めて実感し、これはしっかり勉強しなきゃならんと思い、手にした本です。
建設業を営む社長さん向けに書かれた、労務管理に関する基本的な疑問をQ&A形式でわかりやすくまとめられた本です。
著者は町田安全衛生リサーチ代表で、元労働基準監督署長の村木宏吉さん。
『元労働基準監督署長』ってとてもインパクトあり、かつ説得力のある肩書です。
章の合間のコラムでは、村木さんの労基署勤務時代に実際に起きた事例を挙げていただいており、これが大変参考になる内容です。
特に建設業は社保未加入問題や、労災事故発生率の高さ等、問題を抱えやすい業態となっていますが、『うちは大きな事故は起きない』と思っている経営者さんも多いのではないでしょうか。(経営者に限らず、現場で働く作業員さん然り)
だけど、実際に事故が発生すると大事になり、場合によっては想定を上回る金額のペナルティを追徴されるケースも少なくありません。
そのような事例もいくつか書かれているので、読めば身が引き締まる本でした。
以下に、社労士を目指す私が特に知っておくべきだと感じた内容を抜粋します。
- 建設業における働き方改革、実は待ったなし!
- 建設業を取り巻く現状
- 国土交通省による建設業従事者の社保未加入対策とは?
- 現場での労務管理ってどうしたらいいの?
- 有給休暇の時季指定ってどうすればいいの?
- 元請に内緒で下請けを使えばいいじゃん⇒ダメ、ぜったい!
建設業における働き方改革、実は待ったなし!
平成30年6月に働き方改革関連法案が成立し、平成31年4月に改正労働基準法が施行されました。
それにより、以下の項目を取り組まなければならなくなりました。
※特に建設業の中小企業に関係する項目を抜粋しております。これが全てではありません。
・実際の労働時間を記録し、それに基づいて割増賃金を支払うこと
・月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率の引き上げ(5割増し)
※中小企業は令和5年3月31日まで猶予
・時間外労働の上限規制(時間外労働時間と休日労働時間の合計原則月45時間まで)
※建設業は令和6年3月31日まで猶予
・長時間残業を行った労働者の健康管理を進めること
・年次有給休暇を、年間5日は会社が時季指定をして取得させること
これらはいずれも建設業での取り組みが遅れていた項目です。
なんだ、猶予まで3年もあるじゃんとお思いの方もおられますよね。
でも、長時間労働は『はい、明日から減らします』と言ってできるものではありません。
特に建設業は工期もあり、元請・下請け・協力会社と様々な会社が協力し合い成り立つ仕事。
技術レベルも個人により異なること等を踏まえると、個人の能力も加味した労務管理をきちんと行っていく必要があります。
とはいえ、労働時間を正確に管理すれば、残業代が増えるかも。
有給休暇を確実に取得させることも、人件費増加に繋がるし、どうしたものか・・・
これらを実現するためには、発注者からの発注条件の見直し、元請から下請け・協力会社への発注条件の見直しが必要となります。
社会保険料を加味した適正な請負金額で仕事が受注できるように、工事を請け負う会社だけではなく、発注者も意識の改革が必要・・・なんだか一筋縄ではいかなさどうですよね・・・
つまり、めちゃくちゃ時間かかるよって話です。
社長さんひとりだけが頑張ってできる問題でもなく、発注者にも理解を求めていかないといけない、労働者一人ひとりの意識改革も必要。
これって数日~数か月でできることではないんですよね。
私が社労士になったら、『いつまでに、なにを』が書かれたスケジュール表のようなものを作ってお渡ししたいです。
もちろん、『社長、これやらないとまずいですよ!』と脅すような言い方ではなく、できることからひとつずつ一緒に新しい仕組みを作りましょうとご提案できる社労士になりたいですね。
建設業を取り巻く現状
下のグラフは、建設業就業者の高齢化の進行を表したものです。
全産業と比較しても、建設業における55歳以上の労働者は突出して増加しており、これは今後も続くでしょう。それと比較して若年層の割合は年々低下。
これは、10年後には建設業に従事する労働者が大量離職してしまうことを意味します。
建設業は
・週休2日が取れない
・社会保険に加入させてもらえない
このような理由から若年労働者が集まりにくいのが現状です。
ICTも活用しつつ、労働者を育てて長く働いてもらえる業界にしていくことが急務となっています。
国土交通省による建設業従事者の社保未加入対策とは?
国土交通省が、建設業における社会保険未加入問題に取り組んでいるってご存じですか?
本来、社会保険加入に関する本来の所管は厚生労働省ですが、国土交通省が数年前から建設業従事者の社会保険未加入問題に取り組んでいるんです。
(参考;建設市場整備:建設業における社会保険加入対策について - 国土交通省)
先にあげたように、近年、建設業に従事する労働者が不足しています。この課題に取り組むため、国土交通省は建設業の人材確保を主眼に、厚生労働省と協力して社保未加入問題に取り組んでいます。
具体的には、以下のような取り組みを行っています。
・国が発注する工事について、社会保険等の費用を見込んだ請負代金の設定
(地方自治体にもそれに倣うよう指導していく)
・行政によるチェック、指導の強化
・ガイドラインを制定し加入促進を推進
また、建設業許可の基準を見直し、適切な社会保険への加入が要件化されました。
元請の役割として、社会保険に未加入の企業を下請けに選定しないよう指導しています。当然、行政による確認・指導も強化されていくでしょう。
では具体的に何を、どのように改善していけばいいのでしょうか。
ここからは改正労働基準法に基づいて、建設業が取り組むべき項目の中で比較的緊急度の高いものを3つまとめました。
現場での労務管理ってどうしたらいいの?
作業員が事務所に寄らず、現場に直行直帰することも多いでしょう。
その場合、小さな会社では毎回管理者が現場に出向くこともできないのが現状です。その場合の勤務時間の把握はどうしたらよいのでしょうか?
・下請けで業務をしている場合は、元請の管理者から働いた勤務時間の承認を得る
※あくまで申告した時間の『承認を得る』だけです。勤務時間の指示を受けると偽装請負となりますので注意
・スマホアプリの活用
最近はスマホアプリと連動した勤怠管理システムも、多数開発されています。
金額もそれほど高くないものも販売されていますし、正確に勤怠管理ができるメリットは非常に大きいので、導入を検討されるのも良いかと思います。
有給休暇の時季指定ってどうすればいいの?
法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者に対し、毎年5日、年次有給休暇を確実に取得さなければならなくなりました。
年5日ですので、例えば3日と2日に分けて夏季休暇と年末年始の所定の休みにつけて指定するといった方法があります。
工事の期間にかからないよう、元請と協力会社の連携が必要ですが、業界として比較的休みやすい時期に、指定して取らせる方法がやりやすいかと思います。
元請に内緒で下請けを使えばいいじゃん⇒ダメ、ぜったい!
できません!やっているのであればやめるべきです。
万が一死亡災害が発生した場合、その下請けが一人親方だと死亡災害にあっても現場の労災は使えません。
『昔から来てくれている人だから、うちは事故があってもトラブルにならないよ』と仰る経営者さんもおられます。
しかし、大きな事故により働けなくなった際、ご本人よりもご家族や周囲からの助言が入ることが少なくありません。
『それって労災じゃないの?』『実態は雇用でしょう』『こうしたらお金をもらえるよ』といった声が入ってくるものです。
会社が認めなくても、労基署の判断で調査が入り、実際は偽装請負だと判明することもあります。
そういったことが判明した場合には、当然元請業者の責任が追及されますし、元請に報告せず下請けを使っていた場合、以降の仕事が請けられなくなる可能性も高いでしょう。要は会社の存続にかかわる事態となります。
下請けを使用するのであれば元請に報告すること、そして実態に即した社会保険に加入させることが、後々のトラブルを防ぐ手段にもなります。
以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
会社の未来のため、従業員の人生のため、建設業の明るい未来のために。
経営者さんだけで抱えずに、社会保険労務士がお手伝いてきることもたくさんあります。
頼れるパートナーを目指して・・・!!
読書記録☆FACTFULNESS
こんにちは。
社労士開業を目指す、現在は専業主婦のおかんです。
暇を持て余したGWに読んだ本2冊目は
こちらもベストセラーのFACTFULNESS
1.世界は分断されているという思い込み
2.悪いニュースのほうが広まりやすい
3.数字を比較しよう
4.犯人ではなく、原因を探そう
まとめ
読書記録☆LIFE SHIFT
こんにちは。
社労士開業を目指す、現在は専業主婦のおかんです。
緊急事態宣言でどこにも行けなかったGW
おかげさまで読書がはかどりました。
まずはLIFE SHIFT
説明するまでもないベストセラー本ですが、まだ読んでませんでした。
この著書が発売されたのは2016年11月。
もっと早く読めばよかったな、というのが一番感じたこと。
というのも、この著書で書かれている【人生は100年時代であり、3ステージ(教育⇒勤労⇒引退)の人生は崩壊する】ということは、私たち世代(おかんは35歳)にとってはもはや常識となっているんですよね。
私は物心ついた時にはバブルも崩壊し、社会人1年目でリーマンショック、その後東日本大震災、そしてコロナと、好景気が長く続かないことは身をもって経験していますし、時代を台頭する企業がかなり短いスパンで変化していることも見てきています。
そういった意味では、この本を読んだところで考え方を改める程の変化は得られないので、今現在絶対読むべきとは言い難い本かな、と。
それでも読む価値はもちろんありました。
このブログの以前の記事で書いた、【独立前にやるべき棚卸し】という記事の中で【資源の確認をしよう】というものがありました。
この『資源』とは自分の過去の経験や趣味、そして人間関係のことを指しますが、LIFE SHIFTの中でも【資産】として詳しく説明がありました。
家族、友人、高度なスキルと知識、肉体的・精神的な健康といった【無形の資産】が長寿化の恩恵を受ける上で非常に重要であることが書かれています。
ポイントとなるのが、働く上で求められるスキルと知識は変化していくということ。
一度高度なスキルを手に入れたとしても、10年もすれば時代遅れになる可能性が十分にあり、自分自身をアップデートしていかなければならないんですよね。
しかし新しいスキルや知識を習得するには、今自分が属する組織から時には離れることも必要。新しい時代には、社会人になってからの学び直しの機会を持つことが大切になります。
その上でもうひとつ重要なのが、パートナーとの関係性。
前時代的な夫婦関係(夫が外で働き、妻が家庭を守る)は取引的性格を持っていました。
しかし夫婦それぞれが仕事を持ち、しかも仕事を変えたり、変えるための準備期間を持つことが双方必要になる時代では、相手と深く関わろうという意思を持つことが大切です。
お互いを真の意味で信頼し、ともに人生を乗り越えるパートナーとして尊重しあえる関係性がより一層重要になるのです。
実際に私も、今夫に家計を支えてもらっていますが、将来開業する応援もしてくれているし、多少損してもいいからチャレンジしなよと背中を押してくれています。
私がチャレンジできるのは、家計を支えてくれる夫の存在があるからですが、開業して私が家計を支えられるだけの収入を持つことができれば、今度は夫が収入を減らしてでも将来に向けた準備をしたいとなった時に、快く応援することだってできます。
お互いに依存するのではなく、支えあえる関係性であれば、長い人生の中で変化を通じて自分をアップデートできますし、逆に言うとそういった関係性でなければ、長寿化時代にパートナーを持つメリットを見いだせないのかもしれません。
社労士的な観点では、企業にも大きな課題があり、これまでと全く異なる人事制度の改変、就業規則の見直しニーズが高まってくるのだろうなと思います。
100年時代では、従業員が人生で移行を経験しなくてはならないことを企業も理解し、そのための支援を提供できるかどうかが、良い人材を集める鍵になってくるのでしょう。
例をあげると
・一度会社を離れても戻って来ることができる制度
・休暇の与え方(従業員がリ・クリエーションできる時間の確保)
・新卒一括採用の見直し
・仕事と家庭の関係の変化を理解すること(男性の育休促進等)
・年功序列の廃止(マルチステージでは年齢と経験は比例しない)
そして、実験を容認・評価すること。
新しい状況に適応していくためには、指針にできるロールモデルが乏しいことが多く、
そのため人々は新しい試みを実験せざるを得ない。
これまでは大卒後すぐに就職し、職歴が途切れていないことが履歴書上で評価される実態がありました。
これからはそんな目線では本当に良い人材は確保できない。
将来への投資の期間として、主体的に選択した結果、履歴書に空白ができる可能性が多いにあります。
企業としては、応募者の履歴書に空白の期間があっても容認すること。むしろ、そこを興味を持って聞いてみると、素晴らしい経験が出てくるかもしれません。
この【主体的に選択する】ということが本当に大切で。
大学⇒就職⇒定年という一本道は、私たちの世代にはありえない。
豊かな老後を送りたければ、80代まで働くことができるスキルを身に着け、常に自分をアップデートすることが求められます。
そのためには、今の自分の持っている資産は減っていないか?10年後を見据えて行動しているか?と常に考えながら、何事も主体的に選択していかなければならないよ、と。
要約するとこのような中身の本でした。
今、自分が挑戦していることは間違いではない、むしろもっとスピードを上げて取り組むべきだと背中を教えてもらった気がします。
主体的に選択する
起業・独立前にやるべき棚卸し#3 事業の基本プランを考えよう
こんにちは。
起業・独立前にやるべき棚卸し、第3弾!
今回は、これまでの棚卸しの内容を踏まえて、事業の『基本プラン』を作ってみましょう。
内容を考える上で大切なポイントを、事例を交えながらお伝えしていきます。
考えるべき基本プラン
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プラン名称 :
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- 誰を対象にする?
- 何を提供する?
- どのように宣伝する?
- どのように販売する?
- そもそもなぜそれをやるのか?
- 結果、顧客はどのような喜びを得る
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1.誰を対象にする?
2.何を提供する?
何を提供するかは、自分のやりたいことや過去の振り返りからある程度決まっていることでしょう。ポイントは、誰を対象にするか。
重要なのは、できるだけ対象を絞ることです。
例えば【子育て中の母親】をターゲットとするとしましょう。
【子育て中の母親】の中には、赤ちゃんを初めて育てるお母さんも、小学生を育てるお母さんも、高校生を育てるお母さんも、同じくくりになってしまいます。
でも子供の年齢によって、お母さん方の抱える悩みは全く異なりますよね。
ある女性は、【1歳児を育てる母親】だけを対象とした事業を起こし成功されました。
事業内容はご主人が経営する飲食店と連携してお食事会を開催し、その後ママのためのセミナーを展開していくといもの。
0歳から1歳の子を育てるママ達は、悩みも多く、かつママ友ネットワークもまだ構築できていない時期。
そして、『大人と話したい』『誰かに話しを聞いてほしい』といった欲求も持っています。そういったニーズを上手く汲み取り、事業へ展開された事例です。
もう一つ事例を紹介します。
キャリアカウンセラーの資格を持つ、Bさんの成功事例です。
彼女が対象としたのは【コールセンターでクレーム対応をしているスタッフ】でした。
クレーム対応は精神的に疲れる仕事です。ストレスを抱えるスタッフも多いはず。
Bさんはターゲットを絞る以外にもうひと工夫しました。
それは、サービス提供をするのは個人(スタッフ)だけど、お金をもらうのは企業の人事部だということ。
会社の福利厚生としてBさんのサービスを導入していただき、利用者(スタッフ)は無償でサービスを利用できるというものにしました。
これはどのサービスにも共通しますが、個人よりも企業の方がお金は多くいただけるものです。同じサービスでも、契約先を企業とすることで、毎月のまとまった収入を確保できるのです。
【誰を対象にするか】の中には、お金をもらう相手は誰か、もあわせて考えておくと良いでしょう。
上記の例のように法人か個人かだけではなく、『観光客』や『孫がいる祖父母』などに対象を絞ると価格が高くても売れやすい特徴があるようです。(母親世代はお金にシビアだけど、おばあちゃんは孫のためなら財布の紐が緩いとか)
3.どのように宣伝する?
4.どのように販売する?
当然ながら、ターゲットを誰にするかで宣伝方法は変わります。
子育て中のママが対象なら、インスタでの宣伝が効果的でしょう。
しかし祖父母世代を対象とするなら、インスタは見ません。
対象を企業にするのであればSNSよりも、企業向けセミナーを開催してそこで宣伝する方が効果的かもしれません。
観光客をターゲットとするのであれば、自治体と手を組むのもありですよね。
ターゲットが見る場所はどこか?
ターゲットが検索する方法(言葉)は何か?
ターゲットが決まったらこれらを考えてみてください。
5.そもそもなぜそれをやるのか?
6.結果、顧客はどのような喜びを得る?
なぜそれをやるのかは、これまでの棚卸しの中で見えてくるものがあるはずです。
自分の持っている資源は何ですか?
子どもの頃から変わらず大好きなもの(こと)は何ですか?
どんな欲求を満たしたいですか?
書き出した中で、根底にあるものを探してみてください。
最後に、私が今のところ考えている事業プランを共有します。
まだまだ考えきれていませんし、お恥ずかしいほど穴だらけです。
でも、少し見えてきた部分もあり、これからブラッシュアップしていくつもりです。
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プラン名称 :お悩み相談社労士(仮)
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・誰を対象にする?(模索中)
経営者+従業員(業界絞るかは未定)
・何を提供する?
社労士業務(具体的な内容は模索中)
経営者だけではなく、労働者のメンタルケアや
キャリアアップ相談
何でも相談できる社労士
・どのように宣伝する?
商工会議所などコミュニティ利用
・どのように販売する?
ブログ、facebook等での情報発信から集客に繋げる
近隣の社労士、税理士から紹介に繋げる
・そもそもなぜそれをやるのか?
試験に合格したこと、過去の業務経験を活かしたい
人と話をするのが好き
BtoBとBtoC両方経験あり
多くの働く人の悩みを聞いてきた
・結果、顧客はどのような喜びを得る
働く人の心の健康を保つことで、安定して働いてもらえる
結果、経営者も助かる
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いや~・・・こっぱずかしいですね!(笑)
私だってまだまだこんなもんです。
大切なのは、資源を増やすこと。
すでに持っている資源と掛け合わせれば相乗効果のある、新たな資源を手に入れる取り組みをしていきたい。
それがこの1年間の目標です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
起業・独立前にやるべき棚卸し#2起業を意識したら、最初にすべき3つの確認作業
こんにちは。
前回に続き、起業・独立前にやるべき棚卸しです。
前回、自分の幼少期に好きだったもの・夢中になったことを棚卸ししました。
今日はその内容は少し置いておき、自分がやりたい事業について深堀していきます。
STEP2 起業を意識したら、最初にすべき3つの確認作業
確認するのは以下の3つの項目です。
- 動機の確認(なぜそれをしたいと思うのか)
- 資源の確認(なぜそれができるのか)
- 課題の確認(準備すべきは何か)
ではひとつずつ見ていきましょう。
1.動機の確認
『起業』と『独立』は一見似たような言葉ですが、厳密には異なります。
『起業』は『生業を起こすこと』
そして『独立』は『ひとりで立つ』、『支配を受けない』という意味です。
なぜ起業したいのか、なぜ独立したいのか、動機もそれぞれ分けて考える必要があります。特に、起業動機は事業内容と密接に関係します。
二つの動機にはそれぞれ3つの欲求が関連しています。
起業動機
自己実現欲求(自分らしくありたい)
経済充実欲求(もっと稼ぎたい)
社会貢献欲求(社会の役に立ちたい)
独立動機
自己成長欲求(立派になりたい)
自己裁量欲求(自分だけで意思決定をしたい)
他社評価欲求(お客様から直接評価を受けたい)
ではこの6つの欲求を、自分自身に向き合って当てはめてみましょう。
あなたはどんな欲求をお持ちですか?
すぐに全てが埋まらなくても大丈夫です。じっくりと、時間をかけて考えてみてください。
例えば私の場合だと
自己実現欲求~理想とする自分らしさとは?~
社会と接点を持ち、自分の役割を感じられている状態
愚痴を言いつつも笑顔でいること
自己成長欲求~自分のどんな点を伸ばしたい?~
本を読んだり新しい情報を仕入れるのが好き。変化し続けたい・学び続けたい・世の中の流れを把握したい。
社会貢献欲求~誰のために、何を、どうしたい?~
社会全体の働く環境を良くしたい。短時間でも働きたいママ達を雇用したい。
自己裁量欲求~どうしても自分で決めたい事柄は?~
働く時間と場所
経済充足欲求~収入や資産、今と比べてどうしたい?~
まずは自分がしたことに対して対価が欲しい。
将来的には子供を一人で養えるぐらいの収入がほしい。
他社評価欲求~誰から、どのような評価を受けたい?~
お客様から、頼りになるねと言われたい。誰かの助けになりたい。
このように、ひとつひとつの欲求を書き出していくと、なぜそれがしたいのかという動機がはっきりしてきます。動機は『夢』にも繋がります。
事業を継続させていく上で、動機はその土台となるのです。
2.資源の確認
夢だけあっても、事業は起こせません。
『なぜ、それができるのか』資源の棚卸しをしていきましょう。
1.自分自身が持っているものをすべて洗い出そう
項目ごとに、過去の経験や大切にしているものを洗い出しましょう。
ポイントは、過小評価せずにたくさん書くこと。
たいそれた経験を書く必要はありません。
小さなことでも、思い出して書き出してみましょう。
忘れているものもあるかもしれないので、ご家族に聞いてみるのもいいかもしれません。
・勤務や学校などで得た知識や経験
・家事や育児などで得た知識や経験
・地域とのかかわりなどで得た知識や経験
・取得している資格や免許
・子どものころ、得意だったり夢中になったりしたこと
・現在の趣味や仕事以外の活動
・今はやめたが、かつてやっていた趣味や活動
・何となくだけど、たくさん持っているもの
・あなたや夫が所有する資産や大事なもの
・資産ではないが、あなたが所有する大事なもの
2.役立ちそうな周辺人物とその特徴を洗い出そう
次に、下の項目ごとに思い浮かぶ『人』を書き出しましょう。
例えば、『海外在住経験のある○○さん』『○○をよく知っている○○さん』『ネットワークの広い○○さん』など、こちらも思いつく限り書き出してみてください。
・勤務先の同僚や上司、部下
・顧客や仕入れ先など、社外の関係者
・以前同僚だったり先輩だったりした人
・競合他社や同業者の知り合い
・利害関係のない異業種の知り合い
・家族や親戚
・出身地の友人や知人
・趣味などの仲間
・ご近所や地域の仲間
・その他、生協やPTA、同窓会などの仲間や知り合い
3.課題の確認
資源の確認ができたら、資源と資源を組合わせて、他者が真似できないアイデアを発想してみましょう。
そして、組み合わせた資源でできる事業プランを立ててみましょう。
すると、課題が見えてきます。
実際に起業された方の例をあげます。
Aさんには、以下のような資源がありました。
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・空手歴2年
・浅草で英会話ガイドの経験
・ビーズ収集の趣味
・米国在住の妹
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浅草で外国人にビーズを売ったのかな?
普通だったらそう考えます。
しかしAさんは、【米国在住の妹】という資源を活かし、他者に真似ができないアイデアを生み出しました。それが以下の内容です。
・空手の道着にビーズで和柄の刺繍をする
・その道着を浅草での英会話ガイド中に外国人に売る
・米国にいる妹にあらかじめまとまった商品を送っておき、商品を購入した人には妹から発送する(送料をおさえることができる)
海外への送料が高いといった課題を、海外に住む妹さんとタッグを組むことで、課題を解決し、価格も安くおさえることができました。
これにより、多くの商品を売ることができたそうです。
このように、資源と資源をどう組み合わせるか。
自分だけではなく、協力してもらえる人を探すことで、他には真似できない仕組みづくりが作れるのではないでしょうか。
一度資源を組合わせたら、課題は何かを考えてみてください。
そこから、課題を解決できる新たな組み合わせはないか、見つけてみましょう。
私もまだまだ課題だらけ。
自分自身が持っている資源も増やしたいので、新たな資格にも挑戦する予定です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
起業・独立前にやるべき棚卸し#1 幼少期の棚卸し
こんにちは。
社労士開業を目指す、現在は専業主婦のおかんです。
開業を目指すと決めて一番最初に参加したセミナーが『女性のための起業セミナー』でした。
講師は起業支援ネットワークNICeの代表理事、増田紀彦先生。https://www.nice.or.jp/archives/33154
多くの起業家の支援をされてきただけあり、たくさんの事例をご紹介してくださり、とても良い刺激を受けました。
今回はそのセミナーで知った、起業前にやるべき棚卸しについてお伝えしていきます。
私もまだまだ棚卸し途中ですが・・・
なぜ棚卸しが必要?
そもそもなぜそんな作業が必要なのか。
それは、自分の強みを知り、それを事業と掛け合わせることで限りなくオンリーワンに近づけるためです。
私の場合、社労士として開業を目指していますが、社労士が単に『社労士です』と名乗ったところで、それは全国に4万人いる社労士の一人でしかないわけです。
例えばこれに、『派遣業に強い社会保険労務士』で検索してみるとかなり数が絞られます。そこから地域も絞ると更に少数に。
どんな事業でも、会ったその日に商品(サービス)を購入していただけるなんてことはめったにありません。あったとしても、それは運です。
まずは認知してもらい、ニーズが生まれた時に思い出してもらうこと。
それが購買に繋がる道筋です。
認知してもらうには特徴が必要で、その特徴があなたの【強み】なのです。
強みはインパクトが大きいものではなくても、過去の職歴や業種、趣味や特技、人柄、ただ自分が愛してやまないものなど、なんでも良いので、自分のやりたい事業と掛け合わせることができないか、じっくり考えてみましょう。
STEP1 三つ子の魂、百まで~子どもの頃を思い出そう~
幼少期に夢中になったことや得意だったことは、大人になっても根本は変わらないことが多いものです。
子どもが夢中になることには理由がなく、本能で動きますよね。
幼少期に夢中になったことは、大人になった今の自分にも当てはまる可能性が高いのです。
実際に、自分の幼少期を思い出して、次の項目ごとに書き出してみてください。
1.子どもの頃、得意だったこと、好きだったこと、夢中になったことは何?
⇒私の場合;歌う、喋る、小説を書いたり漫画を描くこと、セーラームーンごっこ
2.その行為を『動詞化』するとどうなる?
⇒私の場合;想像する→表現する→見せる
(自分だけで完結するよりも、人に伝えたい・見せたい)
3.それを事業に生かすためには?
⇒私の場合;成功するストーリーを作る→それを求める人に伝える
ここでのポイントは2の【動詞化】です。
例えば【漫画を描く】のが好きな子の中でも、『上手に描く』ことにこだわり、ひたすら絵の練習をしている子もいれば、『ストーリーを考える』ことが好きな子もいます。
私はどちらかといえば後者で、絵を描くよりもストーリーを考えるのが好きで、授業中も架空のお話を想像しまくっていました。
しまいには絵を描くのが面倒くさくなって、頭の中で考えるだけになってしまいました。
このように、自分は具体的に『何を』『どうするのが』好きだったのか、細かく分析してみてくださいね。
次回は
起業を意識したら、最初にすべき確認作業についてお伝えします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
パートでは保育園に入れない!?専業主婦だからこそ開業に舵を切れたワケ
専業主婦世帯よりも、共働き世帯の方が多い現在。
周りも保育園に通う子が多く、専業主婦の私は肩身が狭い・・・。
しかし、様々な事情により『一旦退職する』という選択をした女性も多いはず。
ところがこの『一旦』が、簡単なものではないことを身をもって体感しました。
今回は私が保活を通して知った、専業主婦が社会復帰する厳しさ、そしてそんな専業主婦だからこそ、開業に舵を切れたワケをお伝えしていきます。
保育園の壁、待てど暮らせど待機児童
私が保活を始めたのは、娘が1歳になった年の10月。
しかし私に与えられた保育認定の条件は『就職活動中』であることのみ。
これは選考指数が一番低いことを意味します。
私の住む市の待機児童数は国内トップクラス。
求職中ではもちろん、時短パート勤務でも保育園に入れるのは至難の業です。
そんな保育園激戦区のため、当たり前ですが待機児童。2019年4月から、認定を取り下げた2020年12月までずーっと待機児童。保育園入所の切符が回ってくることはありませんでした。
保育園から幼稚園にシフトチェンジ
保育園の 認定を取り下げた理由は、幼稚園のプレに受かったからです。
私の住む市では公立幼稚園がメインですが、3年保育の年少さん枠はなんと抽選!
ということは、今時珍しく年中さんからしか幼稚園に入れない可能性もあるのです。
そこで、とにかく娘の行く場所を少しでも早く確定したかった私は、私立の幼稚園でプレ保育のある園を探し、入園が決まりました。(こちらも倍率すごかった・・・)
そうして保育園の認定を取り下げた矢先、地元の社労士事務所でパート求人を見つけたのです。(タイミング悪っ!)
パートでは保育園に入れない
求人内容は未経験可の社労士補助。勤務時間も希望に応じて相談、と記載あり!これしかない!絶対受かるぞ!
その時の私の労働条件は
・プレ保育は週2日。1日2時間のため、プレがある日は就業できない
・プレがない週3日を認可外保育園に預けて働きたい
・来年は幼稚園に入れるので、働く時間を確保できる
このような、非常に流動的なものでした。
なんとか面接にこぎ着けたので、面接前に『保育園に入れる見込み』だけでも付けたく、大急ぎで認可外保育園片っ端から問い合わせました。
その結果がこちらです。
・認可外保育園A(一時保育なし)
空きあり。保育料月6万前後。
週3日の就業で預けることには難色を示される。(認可保育園落ちた人達から多くの問い合わせあり、育休中や勤務時間が長い人が優先となるため)
・認可外保育園B(一時保育あり)
空きは残り2枠(早い者勝ちなので確約できない)
保育料月3万円台。週3日であれば一時保育の方が安い。
一時保育の空きはその時点では未定(調整中)
・認可保育園の一時保育
一か月単位での予約はできるが、来年度の枠は未定(調整中)
・市が運営する一時保育のみの託児施設
予約日の一週間前からしか申し込みできず、一回の予約で申し込めるのは2日まで。定員があるので日によっては予約が取れない可能性あり。
自宅最寄り駅から電車で2駅先まで行かなければならない。
絶望です。
認可外保育園であればどこか入れるだろうと思っていましたが、そもそも近隣に空きのある認可外保育園は2か所しかありませんでした。
そして週3日勤務では一時保育利用での受け入れ・・・一時保育って都度予約が必要なので、予約が取れないことも十分にあるわけです。
そうすると、仮に勤務できたとしても『来週予約取れなかったので休みます』みたいなこともでてくるわけですよね・・・いや、厳しい。どう考えても厳しい。
しかも問い合わせたのが2月上旬で、4月以降の受け入れ枠は調整中ばかりでした。
結局子供のあずけ先の目途も立たぬまま、面接に挑むことに。
面接では当然、可能な勤務時間を聞かれます。
結局私は『確約はできないけど一時保育利用で頑張ります!』と、意気込みをお伝えすることしかできませんでした。
結果は不採用。
どのような方が受かったのか、実は今でも気になっています。
Twitterで知った、子育てしながら開業した女性社労士の存在
最低でも、娘が幼稚園に入るまでは、仕事は難しいと思い知らされた私。
しかも幼稚園って最初は午前中で帰ってきたり、夏休みなどの長期休暇問題もあり、これ、いつになったら社会復帰できるの?
雇われるの無理じゃないか?
そんなことを考えながら、なんとなくTwitterを徘徊。
すると、いるではないですか!
私と同年代でお子さん2人抱えながら開業した人達!!
すぐに感化されて『社労士目指す』アカウントを作り、もやもやしていることをつぶやいてみたところ、開業したばかりの女性社労士さんから励ましのDMが!
『未経験でも開業できるのか』、『小さな子供がいても開業できるのか』という私の不安を吐露したつぶやきにも、ご丁寧に応えてくれた心優しい先輩社労士さんがいらっしゃいました。
小さな子供がいるからこそ、開業
Twitterを通して得た、私なりの子供が小さいからこそ開業するメリットがこちら。
・いつでも、どこでも仕事ができる
仕業って、基本的にはPCとネットワーク環境さえあればできる仕事です。
子供が小さいうちは勤務地や就業時間に制約があり、その上で新たな勤務先を探すのはハードルが高い。
開業してしまえば、ある程度コントロールできるのです。(もちろんクライアントにご迷惑をお掛けしない工夫は必要)
自宅で仕事ができれば通勤時間もカットできる。家事と育児の隙間時間や、子供が寝た夜に仕事をすることだってできます。
これは、勤務ではできない一番のメリットではないでしょうか。
・開業してもすぐにお客様はつかないので時間のゆとりを活用できる
開業していきなり目まぐるしい仕事量!!なんてこと、よっぽどの経験とコネクションがない限りありえませんよね。
多分、最初はすごく暇です(笑)
暇では困るのですが、働ける時間が短いうちは、細くゆるく初めて、だけど努力は怠らず、3年程かけて事業を軌道に乗せていくプランを立てることができます。
・生活を支える必要がないからこそ、チャレンジできる
ある女性社労士の先生のお言葉が印象的でした。
『3年チャレンジして失敗したら、子育てしてたことにしよう』
この考え、人によっては甘えだと捉えられがちですが、私は救われました。
あぁ、それでいいんだ。チャレンジしていいんだ、と。
しかもこれ、今ではスタッフを雇うほどご活躍されている社労士先生のお言葉です。
もちろん、お客様の前でそんな気持ちは微塵も出さず、限られた時間の中で真摯に対応することが前提です。
だけど、『専業主婦だから何もできない』ではなく、『専業主婦だからこそチャレンジできる』と考え方を変えることができました。
とはいえ、前回の記事に書いた通り、事務指定講習の料金、社労士会への登録料、年会費・・・まぁまぁお金はかかります。
軽い気持ちではできませんが、背中を押してくれた夫に還元できるように頑張りたいなぁと思っています。